走行3000kmとの事で購入。フロント事故車のL9なのでメーターのリコールもあるのでちょっと疑って、マフラーやクラッチ等他の部品の状態から判断。
パッド残量たっぷりでパッドピンのネジロック等の状態から一度も交換したことの無い感じで走行距離が浅い事は確かです。
早速バラして清掃。5年物なのでキレイでもシールとブーツは交換します。
浅い走行距離でも穴の中に当たりがついていて既にパッドは斜めに削れています。
ナットも若干の凹みあり。ごく僅かなのでそのまま使います。
キャリパーAssyを手元に置いてゆっくりと眺めて考えてみたのですが、ブレーキを握る→ピストン側のパッドを押す→ディスクに接触しパッドが引きずられてサポートに当たる→キャリパースライドピン経由で反対側のパッドが引き当てられる→引きずられて高ナットに当たる→キャリパーで挟み込みブレーキがかかる と言うプロセスで動作するのかなと。となると車体を止めるための荷重はサポートが殆どを受け持ち、キャリパースライドピンはそんなに負荷のかからない場所では?パッドピンに関してはパッドが落ちない様に保持しているだけでキャリパーに制動の力を伝える事はしない感じ。とか、色々考えるとブレーキホースでキャリパー自体に下方向にストレスがかかっていて走行の振動で穴がガバになったり高ナットが削れてしまうのでは?フロントは削れない訳ですし。
と思ってとりあえず5mm程ホースを引き上げて見たり…。でも、高ナットが削れていたり穴がガバでナットだけ交換しても問題無いと思います。正直ブレーキがしっかり効いて動作に問題なければokな感覚の人です。純正パッドで十分ですしタッチとか気にならないです。若干ブレーキの深さが変化する事があるのですが理由も分かっていますし走行中の話では無いので。バランスの崩れた状態はタッチやコントロール性を求める向きには論外でしょうか?実際フロントに対してピストン数が少ないのに効きが深い(当たりはじめまでのストロークが長い)様な気がします。私の場合はただただ工業製品としてきちんと動作していないのが気持ち悪い。それだけです。
パッドのハンガーピンはパッドに対しても横方向は完全にフリーで接触せず。キャリパーに制動の負荷はほぼかからずパッドスプリングで正しい位置でパッドをぶら下げているだけなんですね。そう考えると、ピストンのもみだしやグリスアップ、パッドピンのメンテも大切ですが、それは表側(ピストン側)のパッドがメインで、裏側パッドに影響が大きいキャリパースライドピンの動作やメンテナンスも非常に重要だと思いました。
高ナットが大きく削れるとパッドピンとパッドが制動方向で接触します。高ナットだけ交換してもキャリパースライドピンの穴がガバになっているとパッドスライドピンとサポートでパッドを挟み込んでしまいます。ピストンがブレーキを押せなくなる事は無いでしょうが普通にブレーキの故障ですよね。まぁ安全に止まれれば問題ないんですが。
観察も終わったのでサクッと組み立て。
シール類は新品交換でシリコングリスを少々。
ナットは磨いてブーツは新品交換。振動による摩耗を疑うのでグリスはシリコンでは弱い様な気がしてニグルーブRMに変更。四輪ですがホンダのニッシンのスライドピンでの純正採用品です。程よい硬さがあります。動作の妨げにならないよう塗り過ぎず、ブーツのエアー抜きも忘れずに。
ネジロックは先に少しだけ。次回バラす時に面倒なので。今回タップリ塗ってあったのでボルトの清掃とタップさらえで時間をとられました…。
ブレーキ関連の話ですが素人の考察が多く含まれています。近隣に信頼できるショップが無い為好き勝手に自己責任でやってます。
直系のディーラーや整備の出来るショップに任せれば良いだけの話だと思います。ナットだけ変えてもガタがあるのは明白ですし、取付後に触れば素人でも気づくレベルなので。原因や対策も経験値や情報網もあるでしょうし。「削れてるから部品変えました」で、なぜ?どうして?まで掘り下げないなら工賃払う意味なんて全く無いですしね。
結果が分かるのは年単位で先の話ですね。